北海道阿寒郡阿寒町大字仁仁志別
・・・畑仕事3・・・
天秤棒で前後に2つの桶をバランスよく持ち上げることは 非常に難しいです。
金魚売りのおじさんや豆腐売りのおじさんが、 昔よく ひょいひょいひょいと担いで歩き、注文があるとその場に下ろし、そしてまたひょいと持ち上げて、すいすいすいと去っていく。
そういう簡単なイメージで すっと持ち上げてみました。
すると前後のバランスが悪く、前の桶と後ろの桶が 振り子のように揺れ始めました。
僕はあわてて、体勢を直そうとするのですが、すればするほど振れは大きくなります。
そうこうしている内に 何と! 前後の桶から肥やしがあふれ出す始末です。
あ! たいへんだ~~!
その時の僕のあわてぶりを 皆さん、想像できるでしょうか?
ニオイは臭いし……。
情けないし……。
周囲は汚れて、気持ち悪いし……。
泣きたいくらいでした。
しかしこんなことで泣いても誰も助けてはくれません。
何とか前後に暴れる桶を静め、その場に下ろしやり直しです。
散らばった肥やしをスコップで集めて、近くに小さな穴を掘り ひとまずそこへ避難させました。
失敗した原因を信義少年は冷静に考えてみました。
1、桶の容量 いっぱいまで肥やしを入れすぎた。
2、天秤棒を担ぐ時、真ん中の位置を確認せずに 力任せに持ち上げた。
この2つが主なものでした……。
よし!
次はうまくやるぞ!
うまい具合に桶から大部こぼれたので丁度よい感じです。
天秤棒の真ん中の位置を確かめ すうっと腰をおろし そうっと立ち上がりました。
よし!いいぞ!
いい感じ・・・
1歩2歩と歩を進めました。
すると…………!
(続く)