北海道阿寒郡阿寒町大字仁仁志別
・・・・いわれなき烙印 2・・・・
おばちゃんはその青二才に 何故信義に陰陽なたがあるのかを聞いたそうです。
青二才はこう説明したそうです。
課外授業で農作業や花壇作りの労働をさせると
私が見ている時は一生懸命なのですが、見ていない時は
休んでいて、私に気が付くとまた一生懸命やり始めます。
だから陰陽なたがあると私は思いました……。
お祖母ちゃんからその説明を聞いたときに 僕は納得しました。
僕は校長の息子なんだから 頑張らなくてはいけない。
特に先生が見ているから、いい所見せたい……。
そして疲れて休みたい……。
あ、また、見てる!
がんばらなくちゃ……。
と疲れた身体に鞭打つように働いたのです。
…そんな気持ちでした。
数ヶ月前までは都会育ちの単純な明るい子供でした。陰陽などあるはずがありません 。
判断の難しい所ですが、ポイントは 先生が見ていないから働かない…ではなくて 疲れたから休みたい…という所なのです。
『陰陽なたがあり2重人格です』
僕はこの文を48年後の今 書いています。つまり48年間僕の魂に刻み込まれた烙印です。
しかし、青二才にも言いたいこともあるでしょう。
話は両者の言い分を聞いて判断するものです。
僕は以後の人生 誰も見ていなくても、練習を繰り返して、今日ギタリストとして、生きています。
それは事実です。
・・・・いわれなき烙印の項 終わり・・・
(続く)