北海道阿寒郡阿寒町大字仁仁志別、、、 35

 

 

漬け物作りは日中 日が照っている時にムロの中で行われます

入り口の蓋を外して 太陽の光を中に差し込ませます

深さ1メートルの所に 2、3段の梯子を設置します

先ず 空の一斗樽、漬物石 (かなり重い)

漬け物の材料 これらをムロの中に運び入れます

おばあちゃんは ムロの中に ゴザと座布団を敷いて座り 大きなまな板で大根やカブなどを切りそれらを一斗樽に敷き詰めては塩を振り その上に又 敷き詰めて塩を振り時には麹を入れたりしていたように思います

レシピなどは無く 自分の長年の経験と勘だけで 塩や身欠きニシン 麹 酒カスの量を決めていました 

樽一杯になると 蓋をしてその上に漬物石を乗せます

それが ボクの役目でした

最初の時は 重くて大変だなぁ イヤだなあ、、、、、、

と思っていましたが 2年目からは 又 あの美味しい漬け物が食べられると思うと 勇気が湧いてきて重い漬物石もさほど苦には感じなくなりました

ここで ボクの大好きだった鰊漬けについて、、、、、、

大根(干した物)を 回し切りにします

キャベツを7センチ角くらいに ざっくり乱切りにします

身欠きニシンを5センチ幅くらいに切ります

それらを 大根 4   キャベツ3  ニシン3

くらいの割合で混ぜて詰めていきます

詰めながら 塩と麹を おばあちゃんの勘で振っていきます

その作業を繰り返して 一斗樽一杯にします

そして樽に蓋をして漬物石を載せます

後は 自然の不思議な熟成の力によって 2〜3週間めくらいから 食べられるようになります

これは 僕の勘ですが 

鰊の量が少ないと 大根やキャベツへの 味の染み込み方が不十分で 濃厚な鰊漬けの味が出ないように思います

なぜなら 東京に住むようになり 何度かそのような味の鰊漬けを食べた事が有るからです

例えば 道産子料理専門店 のような所で、、、、、、

そんな時は やっぱり この店も ダメだったなぁ と残念な想いをしましたね、、、

おばあちゃんの鰊漬けは 本当に美味しかった、、、、、、

人間の長年の経験と勘 これは本当に 素晴らしいもの だと思います

ボクに対する 教育としつけには 厳しい おばあちゃんでしたが あの深い味わいの漬け物を 食べさせてくれた事には 今でも 心の底から 感謝しています、、、、、、

有難う! おばあちゃん、、、、、、

続く、、、

 

 

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