昆布森   7

 

 

 柘植家に突然 連れてこられて 3年目の秋 昆布森中学で 学芸会があり

夕鶴  の与ひょう の役を 担任の先生から 命じられて 必死になって 長台詞を 練習しました、、、

実は その事を言いたかった訳では 無かったのです

ソレに伴って起こった出来事の方が 忘れられなかったのでした、、、

一生懸命 長台詞を暗記する為練習していたある日 おばあちゃんから呼び出されて きつく怒られました

信義が夜 寝る時に 意地悪をして 長時間 何事か ぶつぶつ 話して うるさくて眠れない  

意地悪をしている!  

と安子が言っている 

何故そんな事をするのですか!

、、、、、、、、、、、、、、、

安子と言う義理の姉 ボクが 養子にされる5〜6年前に おばあちゃんの体力が落ちて 家事が出来なくなった為に 柘植広がどこぞの農家から 養女に した人 です

家族と言っても 元は 他人です

ボクが 連れてこられる前は 自分が柘植家の後取りで  と思っていた様で

ボクのことは 想定外のようでした

好かれてはいない と言う事は 何となく感じていましたが 

夕鶴のセリフの件で 意地悪をしている

と言うのには 本当に 心底から 冷えてしまいました。

自分では そんな事していた覚えがないのです 

夜寝ている時も 無意識に長台詞を うわ言の様につぶやいていたのでしょう

ある意味 ソレほど 必死になって 練習をしていたのかも知れません

本当の家族 兄弟なら 頑張りなさいと応援してくれるはずです

柘植広はあんな感じ そして安子も こんな風で おばあちゃんは身内ではあるけれど ボクを 厳しく育てようとしていて、、、、、、

みんな バラバラ の家族の様な形をとって 生活していた 仁仁志別 と昆布森の4年間、、、

夕張にいた時は 明るく 素直な子供だった私は 本当に 暗く 淋しい子供になってしまいました、、、、、、

続く、、、

 

 

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