北海道阿寒郡阿寒町大字仁仁志別、、、 60

 

 

 仁仁志別に連れて行かれて 一年目の

小学校5年生の夏休み 母親が 1ヶ月近く 柘植家に 来ました、、、、、、

自分の母親や子供の頃から兄弟のように育った 柘植広の家ですから 気を使うこともないので ユックリしていたようでした、、、、

毎年のこの行事は 以前にも 行われていたのです

記憶をさかのぼれば ボクが 6歳かそこらの頃 霧多布と言う 柘植広の赴任先に母親に連れて行かれて 遊びに行った事も有りました 

夏の 爽やかな風が 通り抜ける部屋で

昼寝をしていた記憶があります、、、

このように 母親にしてみたら 毎年の

夏の行事 だったのかもしれませんが

5年生になった ボクにとっては 初めての 経験でした、、、、、、

母親なのに 母さん! と言う事が出来ない!

おばあちゃんのいる前 だけではなくて

2人きりになった 

音楽室での 時でも

母さんと甘える事が 出来ないほど 

心に 叩き込まれてしまったのでした

お前は 柘植家の長男です!

生みの親より育ての親

育ての親の恩を忘れてはいけません!

立派になりなさい、、、、、、

あっという間に 母親が夕張に帰って行きました 

トロッコに乗って 山花駅 に行きます

馬車ですから ユックリ ユックリ 進むのでいつまでも 視界から消えません 

ずっとただ見ているだけです、、、

いつしか 涙で 目の前が かすんで

見えません 

泣くと おばあちゃんに怒られるので

じっと我慢しています

もう見えなくなったのでしょうか

おばあちゃんが家の方に 帰りましたが

ボクは じっと その場に立ち尽くしたまま  声を出さずに 泣いていました、、、、、、

小学校5年生の夏 でした、、、

続く、、、

 

 

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