北海道阿寒郡阿寒町大字仁仁志別、、、59

小学校5年生の夏休みに 夕張から母親が

1人で 仁仁志別 に 来ました、、、

母親にとっては おばあちゃんは 実の母親です 柘植広は 子供の頃からの知り合いのお兄ちゃんで 自分の姉の婚約者でも あった人です 

柘植家は 居心地の良いところだったかも しれません

ボクは 逢いたくて 逢いたくて 待ち焦がれた 母親でした、、、、、、

しかし おばあちゃんに4ヶ月に渡り

生みの親より育ての親

育ての親の恩を忘れてはいけません

お前は柘植家の長男です!

立派になりなさい!

と言われ続けたせいか 母親に素直に

母さん!  と言って 甘える事ができませんでした、、、

少し離れたところに座って じっと下を向いて いるような子供になってしまっていました、、、、、、

多分 母親も あまりの ボクの変化に

驚いた事でしょう

かと言って 夕張に連れて帰ります と言って 啖呵(たんか!) を切るわけでもなく 大きな運命の流れに 逆らうことは 出来なかったのだと 思います、、、、

母親が 夕張に帰る 1ヶ月近く 2人きりになる事が ほとんどなく 何時も おばあちゃんがそばにいます 

夕張に帰りたい なんて 言えるわけもありません、、、

ある日 2人だけで 小学校の音楽室に行った事が 有りました

母親は 学校の先生をしていた事が 有ったらしく ピアノを少し 弾く事が出来ました 

夕張に居た時は そんな事聞いた事もなく 多少 ビックリしましたが 

その時 夕張で 流行っていたらしい

歌謡曲 北上夜曲 という歌 を弾いて 歌ってくれました、、、

物悲しい 旋律 と歌詞 子供ながらにも 心に響きました、、、

匂い優しい  白百合の

濡れているよな あの瞳

想い出すのは 想い出すのは

北上河原の  月の夜

仁仁志別小学校の 誰もいない 音楽室

母親と2人きりです 

母さん! と言って 抱きついて 甘えても良いのに じっと 大人しく 北上夜曲 と言う初めて聴く曲を 聴いて 泣いていました、、、、、、

続く、、、