北海道阿寒郡阿寒町大字仁仁志別、、、22

夕張に帰りたい、、、、、、

常日頃 おばあちゃんから

生みの親より育ての親 

人間は育ててくれた親の恩を忘れてはいけません と

一方的に 言われ続けていました

子供心にも 夕張に帰りたい なんて

言ってはいけないと思っていました

ある日 安子の実家の妹 (18歳くらい)

が 遊びに来た時の事です、、、

僕の部屋に入って来た安子の妹は 言いました

信義君 夕張に帰りたくない?

ううん、 帰りたくないよ

本当? ほんとは帰りたいんでしょ?

帰りたくないよ、、、

誰にも言わないから本当の事言ってごらん

と何度も優しそうに言いました

この人は優しい人なんだ

僕の味方かも知れない、、、

そう思いました

身構えていた気持ちも解けて ポツリ

と 小さな声で

うん かえりたい、、、、、、

と言って涙ぐみました

すると 彼女は部屋から出て行きました

直ぐに おばあちゃんに 呼ばれました

信義! こっちに来なさい!

おばあちゃんの所に行くと ここに座りなさい!

おばあちゃんの前に 正座すると

いつもの低い声で言いました

信義!夕張に帰りたいと言ったそうだね

生みの親より育ての親!

何度言ったら わかるのですか!

人間として 裏切りを受けたと感じた

初めての経験でした、、、、、、

わずか10歳の少年なのに、、、、、、

続く、、、