師匠・高柳 昌行さんとの思い出

 

 

2回目のステージが終わって 控え室に 戻ってきたら

信ちゃんが 「宮崎くん ちょっと ギター貸して!」 と 言いました。

僕は 弾くな と言われてから 自分なりの 少しばかりの 小さな自信も 完全に喪失してしまって

控え室の 隅のほうで 小さくなっていました。

 

信ちゃんに 素直に 「はい」 と言って ギターを差し出すと

「チューニングが ひどくて コーラス 出来ないんだよ!!」 と言って

僕のギターを チューニング し始めました。

 

その信ちゃんの様子を 見ながら、言いようのない 恥ずかしさに 襲われました。

『自分の ギターの チューニングが 狂っている事もわからないなんて 最低なやつだなあ・・・』 と

自分を 責めました。

 

その時は チューニングの狂いが コーラスに 影響を 及ぼすという事が 

全然 理解出来ませんでしたが、 経験を 積んで 自分でも 歌うようになると

そのことが よく わかるように なりました。

 

だから、信ちゃんも 意地悪で したのではなく

生理的に我慢が 出来なかったのだと 思います。 

 

「弾くな、弾いている振りをしろ」 と 言われた事と

自分のギターを 他人に しかも ドラマーに チューニングされたという事。

この二つの 出来事が 40年経った今でも 心に 残っています。

 

でも、 最初から 完全に できる人など いません。

そこから どうやって 這い上がっていくか・・・・だと 思います。

 

しかし 僕は もう本当に つぶれる 寸前でした・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

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