和解

 

 

先輩は 若い頃から 当時スターだった ダークダックスやボニージャックスという

おしゃれなコーラスグループの専属ギタリストとして

大活躍をしていました。

そして日常は 其の頃一般的だった 所謂‘ハコ’の仕事としてナイトクラブで演奏していました。

 

一方、僕はといえば、師匠にピックの持ち方を教わり 

ドレミファソラシドを反復する基礎練習に明け暮れて 

ジャズのジャの字もありませんでした。

痩せた がりがりの 身なりもさみしい僕を 

先輩の仕事場である 新宿の高級ナイトクラブに連れて行ってくれて 

お店の隅に居させてくれて 仕事ぶりを勉強させてくれました。

 

1970年前後の話です・・・・

 

先輩のギターは きれいに澄んだ音で 理性的によくコントロールされたものでした。

「さすが、先輩、かっこいいなぁ」と思いました。

 

丁度このころ 僕は荻窪に住んでいて 塵紙交換をやりながら レッスンに通っていたのです。

 

続く・・・

 

 

BACK  NEXT