師匠・高柳 昌行さんとの思い出 38

レッスンに何年も通っていると お互いに 体調が 思わしくない時が たまには あります。

僕が 調子悪いときは 先生にその旨を伝えて 休めばいいのですが

先生の 体調が悪いときも たまには ありました。

 

そのときは レッスンが 中止になるのではなく 実に変わった形の レッスンとなりました。

 

後にも先にも そんな レッスン風景は 聞いたこともありませんが・・・・・・・・

 

 

ある日のレッスンで

部屋の前で 前の生徒が (つまり 渡辺香津美さんですが)

終わるのを待っていると 渡辺さんが そうっと静かに ドアを開けて出てきて

「先生は風邪を引いているみたいです」 と言って 部屋の中の テープレコーダーを 指差しました。

そして 小さい声で 「お先に失礼します・・」 と 帰っていきました。

 

僕も 忍び足で 部屋の中にはいって 椅子に座って 机の上を見ると

テープレコーダーが置いてあり 大きめの メモ用紙に このように 書いてありました。

 

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1 録音ボタンを押して 名前を言う。

2 教則本の 何ページの何を 弾くかを 言う。

3 演奏する。

4 終わったら 録音終了ボタンを押す。

 

私は風邪を引いて 体調が良くないので 隣の部屋で休んでいるから 

あまり 物音を立てないように。

録音されたものについては 後で聴いて 来週のレッスンで 注意点を伝える。

                                         以上

 

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このときほど 緊張して演奏した事は ありません。

失敗してつまずいた時は 「すみません!失敗しました。もう一度やります!」

と言って テープレコーダーに頭を下げて 謝りました。

 

今から 考えると おかしいですよね、この光景は。

しかし そのときは 真剣です。

若かったのでしょうか・・・・・

 

 

 

 

 

これも 高柳さんとの 懐かしい思い出の一つです。

 

 

 

 

 

 

 

 

続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    カルロス・シモネッタ (月曜日, 23 4月 2012 16:03)

    録音するというのは、慣れないときは真剣ですよね。
    我がザ昭和歌謡団も、先日カラオケを録ろうというときに
    メンバー全員緊張しましたから。

  • #2

    カポネ (月曜日, 23 4月 2012 20:09)

    シモネッタさん
    そうなんですよ。
    しかもレッスンの内容を録音するなんてことは前代未聞なのでは
    ありませんか?
    ザ昭和歌謡団のカラオケは 上手に録音できたんですよね。
    いつか聞いてみたいものです。
    いつもありがとうございます。