師匠・高柳 昌行さんとの思い出 35

先生が いつも口癖のように言っていた事の ひとつに こういうことも ありました。

 

「教則本を練習する時には いつも メトロノームを使うように。

そのメトロノームは ドイツ製のウィットナー社の 周りが木で出来た 三角錐形のものが

望ましい・・・・・・・・・・・・・・・・」 

 

 

 

それは ぜんまい式の ねじで出来ていて 正面のパネルに テンポの数字が刻んであって

見た目も 非常に美しく そして 音も カチカチカチカチとコンコンコンコン の間くらいの感じの音で

微妙な 味わいが ありました。

 

これは今から40年前くらいの話をしているわけですが、

今現在でも たまに 楽器屋さんに行くと 同じ物が 売られているのを見ます。

やはり 良い物は 時代を超えて 永く使われるのですね。

 

しかし ぜんまい式のねじ なので 4,50分も使っていると ぜんまいが ゆるんで

止まってしまいます。

また、ねじを 巻いて カチカチさせます。

 

その繰り返しで、 1日 何時間も使っていると 1年も過ぎる頃には 

ぜんまいが ダメになってきます。

そうすると また 新しいのを 買わなくてはいけません。

 

先生は メトロノームを 使った練習では 次のことを 厳しく指摘していました。

 

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とにかく ゆっくり 練習する。

一つのこと(フレーズ等)が 完全に 弾けるテンポ

仮にそれが 4分音符=80 だとしたら そのテンポで 3回 続けて ミスが無ければ

テンポを 4分音符=86 くらいに上げる。

そしてまた そのテンポで 3回 ミスが無ければ また同じような感じで

テンポを 上げる。

そうやって 最終的な 目標のテンポに向かって 繰り返し 練習する。 

 

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この練習方法は 実際にやってみると 意外と きついです。

しかし 正確に 自分の物にすることが出来ます。

 

僕は 習っていた10年くらいの間に そのメトロノームを 7回 買いかえた記憶があります。

 

 

 

懐かしく 思い出します・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・